2012年10月17日記載
3Dテレビは失敗、これからのテレビは4Kパネル時代へ
今年のCEATEC JAPANを見ても明らかのように、2?3年前に各社が一斉に持ちだした3Dテレビは、コンテンツの普及も結局中途半端に終わり、気づけば誰も見向きもしない忘れられた存在へと成り下がった。なぜ3Dは失敗したのだろうか。

それは専用メガネが必要だったからではない。3D映像を見たところで思った以上に映像からの感動が少なかったからである。そのひとつに3Dテレビは、専用メガネ着用によって液晶レンズを経由するために画像輝度が低下してしまうこと。そしてアクティブシャッタ方式による映像フレーム数の事実上減少による動画リアリティの損失が考えられる。

立体映像という迫力ある映像を見るために肝心な画質低下を招いてしまい、映像からの感動よりも画質の低下に対する落胆の方が上回ってしまった。多くの人々が感動する映像とは、実は立体映像化ではなく、サラウンド音声と合わせた臨場感こそが感動を与える映像素材だったのである。

アナログ放送からのデジタル放送へのシフトは典型的な一事例である。テレビ放送が完全デジタル化によってこれまでの標準画質の世界からハイビジョン映像になったことに得られる臨場感は多くの人たちに感動を与えることができた。アナログ放送画面の画素数よりも高精細な映像を視聴できるようになったデジタル放送によって、これまでテレビ映像からでは知ることが困難だった出演者の肌の状態までも映し出してしまうほどだからだ。

私が当時購入した32インチテレビは、当時市販品の中で最初に登場した32インチでのフルHDパネル製品だった。しかし今は新型iPadのような10インチ程度でもフルHD画素を表示できるほど液晶パネル技術は向上している。

つまり、これからのテレビパネルのあり方を考察すると、3Dパネル化よりもフルHD画素の4倍にあたるスーパーハイビジョン、いわゆる4Kパネルこそが、次世代の人たちが新たな感動を覚える次世代映像技術として期待が持てると考えられる。

ここで何よりも重要なのは、4Kパネル=更なる大画面化ではない点である。先に書いたように、一般家庭内での設置環境では、せいぜいテレビサイズの範囲は32?50インチ相当でしかない。つまり現在のテレビ画面サイズのまま解像度だけ4Kパネルを実装させる形こそが次世代テレビの本命となるのだ。

一方、コンテンツはどうか。おそらく放送とBDパッケージメディアでも、ピュア4Kコンテンツの普及は十数年は登場しないだろう。そこで4Kパネルを使い切る上で期待されるのが東芝が提唱する超解像技術である。超解像技術はSD画質をHD画質化する技術としても話題を読んだことがあるが、フルHD素材からの4Kへの超解像のほうが、よりリアルな高精細映像として作り出すことが可能となっている。

実際に今年のCEATEC JAPANの東芝ブースで視聴してみたが、それは見事なものだった。立体化よりも超高精細映像。新たな感動を覚えるための4K映像こそ、次世代にふさわしいテレビパネルの姿である。


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