2015年01月20日記載
普及率16%理論から考える84%の心地よさとは
先進性ある商品を世に先駆けて販売する際、普及が加速的に伸びるとされる普及率16%を超えさえすれば、たちまち加速的にヒット商品へと成長するマーケティング理論を存知だろうか。

昨年流行したとされるすべての事象も、この普及率16%を壁を突破してから、爆発的なヒットに急拡大している。「アナと雪の女王」もその1つだ。マーケティングの世界で用いられる「イノベータ理論」は、以下の法則として提唱されている。

積極的に未体験ゾーンに果敢に挑戦するイノベーション層(2.5%)
流行に敏感に反応して他の一般消費者への影響力を持つアーリーアダブタ層(13.5%)
手を付ける前に慎重に吟味するアーリーマジョリティ層(34%)
周囲の大多数の意見を見てから動くレイトマジョリティ層(34%)
最も保守的な思想を持つラガード層(16%)

この順番で新製品は普及するといわれている。

小難しいことはさておき、最初の2層(イノベーション層2.5%+アーリーアダブタ層13.5%)を併せて計16%の人たちへ普及が図られれば、その商品の魅力は全体層へ拡大していくという理論がイノベータ理論である。この理論を逆説的に考えてみると、84%の心地よさ理論も見えてくる。

84%の心地よさとは「使用率」である。例えばレストランでのシーンを思い浮かんでみてほしい。お店の中を外から覗いてみると、既に全体の84%の人が食事をしていたとしよう。店内はお客で賑わい、華やかな雰囲気を感じとることができる。そんな魅力的な空間には現時点で16%の空席が存在するお店こそ、84%の心地よさを表すパラメータなのである。

もし人気店で満席、空席率0%、いつ空席ができるかすら不明だったらどうだろう。いくら入りたくても待たなければならないと感じた瞬間、そのお店の魅力は一時的にでも失うことになる。一方で店内はガラガラで閑散としても、微妙な雰囲気で入りづらい心情も生まれてしまうというもの。閑散としすぎていると逆に入店しづらいのではないだろうか。

コインパーキング最大手のタイムズは、この駐車利用率を重視していると言われている。パーキングは全体の常時8割程度が駐車されている状態が理想とし、利用中であっても、常に駐車スペースは数台空いている状態を目指している。

そのためコインパーキングの価格設定は頻繁に変更される。これは常時8割の使用率を目指した施策から来る企業戦略である。常に満車が慢性化しているパーキングでは、利用者は「どうせ満車だから最初から行くのをやめよう」と思ってしまう。そのためにも満車が慢性化しそうな人気パーキングは、強気の価格設定を実施し、常に空きが常態化しているパーキングは大胆な値下げを行って空き車庫を減らす戦略を取る。

普及の目安とするマーケティング理論を逆手に見てみると、こうした利用率84%の法則も見えてくる。消費者は少なければ少ないなりに物足りなさを感じ、混雑するとそれだけ不快感が増す。ヒトの心はとても複雑である。


コラムワード検索
表示件数
ワード検索
本コラムに関する意見
Twitterにて受け付けます @megahit_jp