2017年11月20日記載
繰上返済するべき?それとも10年後にまとめて返済?
住宅は買うか、借りるかどちらが得なのかの永遠のテーマと同じように、住宅ローンの返済はどう返済計画についても、個人個人のふところ事情の兼ね合いもあって簡単明瞭な答えは残念ながら存在しない。

単純な損得勘定だけでなく、手持ちの預金額、家族構成、そして債務者本人の年齢から金利情勢まで総合的に判断しなければならないことから、ベスト解を見つけるのはなかなか難しい。

私のように平凡なサラリーマンにとって、数千万円の借り入れをする住宅ローンは、これからどのように返済計画を立てるべきかは、すなわち今後の人生設計を考えることと同じである。目先のことだけでなく数十年先の予想を含めて計画しなければならない。

参考として私が実際に借り入れしているケースを紹介する。

借入金額:3180万円
借入時年齢:44歳
完済年齢:78歳(35年フルローン)
毎月返済額:87000円(ボーナス返済額なし)
変動金利:0.78%

このまま何もせず、毎月淡々と返済を続けていると、非現実的な完済年齢78歳となっている。また35年間、変わらず仮に0.78%のまま推移したとしても借り入れ金3180万円の35年ローンでは金利はトータルで約455万円にもなってしまう。

455万円を87000円で割ると52ヶ月。利息分だけで4年4ヶ月分余分を返済に充てがうことと意味する。

いくら低金利時代とはいえ、個人にとって多額債務である住宅ローンを契約した内容をそのまま完済年齢まで返済する人は少なく、多くの人たちは定期的に繰り上げ返済をして完済年齢を前倒しするか、退職金を使って完済させるか、それとも債務者死亡によって団信による完済のいずれかと考えられる。

そこで私の繰り上げ返済について、様々なシミュレーションを行って検討を行ったところ、私が出した結論は、

「住宅ローン控除が終わる10年間は一切繰り上げ返済を行わない」

という結論に至った。但し変動金利であるため、10年間の間で金利0.9%を超えないことを条件としている。そして住宅ローン控除が終了する翌年1月にまとめて繰り上げ返済を行う計画を立てている。

なぜこうゆう理由になったかを説明しよう。

まず自分はどの程度の繰り上げ返済余力があるのかを見極めることから始める。返済余力については個人差があるのであくまで私の判断基準では、

「繰り上げ返済しても最低1年は無収入で生活できる程度の現預金があり、将来の変動リスクを考慮しても手持ちの資金で乗り切れるか」

で判断する。上記の現預金から更に溢れた余剰金だけを使って繰り上げ返済に回すべきと考えている。

これらの条件から10年もの間に1000万円を繰り上げ返済できる余力があったと仮定して3パータンを例にシミュレーション(計算)を行った。前提条件はローン返済開始月が2016年2月から、今月の時点で返済期間約1年10ヶ月が経過、今年の年末で2回目の住宅ローン控除対象としている。

一般的な考えとして、返済は早ければ早い方が良いとする基本原則から、

・3年目に700万円、10年目に300万円繰り上げ返済した場合
・3年目から毎年1回125万円を8年間繰り上げ返済した場合
・8年後1000万円返済した場合

の順にそれぞれ計算してみた。いずれも10年目の時点で1000万円分を繰り上げ返済する条件は同じである。繰り上げ返済計算は完済年齢まで金利は0.78%とままと仮定し、繰り上げ方式は期間短縮(軽減)、住宅ローン控除は満額控除されたと仮定している。

(ケース1)3年目に700万円、10年目に300万円繰り上げ返済した場合
利息累計:252万円
住宅ローン控除:224万円
実質の金利負担額:28万円

(ケース2)3年目から125万円を8年間毎年繰り上げ返済した場合
利息累計:273万円
住宅ローン控除:241万円
実質の金利負担額:32万円

(ケース3)8年後1000万円返済する場合
利息累計:293万円
住宅ローン控除:274万円
実質の金利負担額:19万円

この結果をみるとケース3が妥当となった。住宅ローン控除率が1%であることから金利が0.78%の低金利との兼ね合いで、金利がローン控除利率より下回っている限りは減税が続く10年間、慌てて返済するメリットがないと断言できる。

単にメリットがないだけでなく、自由に使える手持ち資金を早々に返済に充てがうリスクからも開放されるのだから金融機関に支払う金利額は一番高いケース3であっても、住宅ローン控除分を他のことに使わず、すべて将来の返済のために全額回すことを心がければ、先走って繰り上げを焦るメリットはどこにもないことがわかる。

この計算はあくまで金利が1%以下の場合に限った話である。1%以上で借り入れしている人なら10年待たずして繰り上げ返済を頑張ったほうが利息額は少なくて済むのは言うまでもない。当面1%以下となりそうな雰囲気である現状なら10年間はじっくり毎月の定額分だけ淡々と返済だけを行い、10年後まとめて1000万円返済するために貯蓄に励むことが望ましいあり方と考えられる。

将来インフレになったら、金利上昇率とインフレ率と比較して都度再計算して、無駄がなく、そして無理のない債務計画を適時みたてていけば良い。いずれにしても時代時代にあった戦略を立てて柔軟に対応する。住宅ローンに限らず、人生設計における共通の基本である。
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