2018年06月26日記載
築年数経過の古い集合住宅の相続後の行く末は闇である
土地や建物を取得すると法務局に所有者情報の登記を行わなければならない。登記を行うと資産として記録され、固定資産税や都市計画税の課税対象となる。地方自治体(市区町村)における税収の内訳を見ると住民税と同じ割合で固定資産税が並んでいる。

人口減少と超高齢化社会に向かっていく日本。現在の法律では時代の変化に追従できていない部分が徐々に目立ちつつある。その一つが不動産に関する取り決めである。

土地と建物を所有すると必ず課税される固定資産税。たとえ実際に使っていなても所有しているだけで払い続ける義務を追う。もし今後の使う予定がなければ、手放すことになるわけだが、手放すには現在の法律では「第三者に売る」しかない。いわゆる捨てるという概念が存在しないのである。

手放すには必ず第三者に売り切るしかないのが今の日本の法律。人口増加時代だった頃は土地を捨てる人は皆無だったし手放すにしてもすぐに買い手が見つかったので全く問題なかったが、今後土地所有者が死亡し、相続人がいない、相続放棄される需要は増え続けていくだろう。

さしたる例は分譲集合住宅に住む一人高齢者が死亡した後の処理である。立地が良い場所に立つ物件ならともかく、不人気地区に建つ築年数が経過した物件の場合、死亡者の子供、法的にいうと非相続人の死亡後、相続人が該当物件に住む予定もない場合は、買い手を探して売約を試みる手順となる。

分譲集合住宅は固定資産税だけでなく毎月管理費も発生するのが一般的。住んでいるわけでもないのに毎月の維持コストは無駄でしかない。管理費から免れるには手放す以外にない。

私も母が亡くなった後、まさしくこうした状況となった。住む予定がない限り、維持費のことを考えると一日も早く手放すしかなかった。だから売るために全力を尽くした。名古屋市内の物件とはいえ最寄りの地下鉄駅まで徒歩18分の立地に築49年の集合住宅である。

はっきりいって需要はない。だから焦ったし買い手探しを急いだ。幸い、買い手がすぐに見つかったが、もし売却時期が更に10年遅れれたら、ゼロ円でも買い手が見つからない可能性もありえる。だから売却金額は想定よりかなり安かったが、すぐに売ることを優先したため相手からの提示金額にそのまま従うこととなった。

売却価格は小型自動車を買うよりも安かった。それでも今後住む予定もないう不動産に維持費は一切掛けるわけにはいかない。だから急いだ。とにかく今は売れただけでも良かったと思っている。

世の中にはもっと条件の悪い物件が数多く存在している。購入した時は資産を保有した気分に浸れるが、長い時間を経過すればいずれ資産である不動産が負動産になるのは時間の問題である。人口減少が加速し建物の築年数がかさんでくると少子化時代においてはタダでも誰も買い手が見つからない時代は確実にやってくるだろう。

買い手が見つからない限り権利者が維持費用を負担する義務を負う。たとえ相続放棄したとしても建物管理費の支払いから逃げることはできない。今の法律が改正されない限り、売れない物件の行く末は所有者である相続人が負い続けることになることを肝に銘じておくべきである。

だから私は区分所有であるマンションは買わない。集合住宅は借りて住むものと割り切っている。買うなら土地所有権付きの戸建てに限る。これが私の持論である。自身の老後よりも、大事なのは相続人(子供たち)のことを考えて不動産は購入するべきではないだろうか。

今ある唯一の所有権放棄ができる相続放棄は、固定資産税は回避できるがマンションの管理費支払いからは免れないことを肝に銘じておくべきである。
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