2019年01月20日記載
元気なうちに相続整理、デジタル時代に準備しておくこと
誰もが自分が平均寿命まで生きるであろうと信じて人生設計している。考えてみればおかしな話。人生がいつ終わるのかなんてわからないし、あくまで平均なのだから短い場合も想定するべき。人生は突然終わるかもしれないリスクを抱えながら今できる準備をしかなければならない。

政府は「人生100年時代構想会議」を掲げる。平均寿命は伸び続けているし、100歳以上の生存人口も増えていくだろう。最新データでは100歳以上の人口7万人弱だそうだ。この数字が多いか少ないかはそれぞれの考え方で異なるが、絶対数字からみると残念ながら大半の人たちは100歳前に亡くなっていることがわかる。

100歳以上を向かた人たちを男女比でみると女性が8割。大正生まれ世代は、戦争経験者であり戦死した男子もいるとはいえ、男性が100歳以上生存できる確率は圧倒的に低い。

ところで100歳まで生きられる人の割合について見てみる。例えば2019年に100歳を迎える方たちは大正8年生まれである。つまり大正8年生まれの出生数と今年100歳を迎える人口数がわかれば100歳までの生存率がわかる。そこでいろいろぐぐってみた。すると出生数データは見つかったが今年100歳になる人数はわからなかった。

そのかわりに参考になるデータが見つかった。2015年のデータになるが100人あたりの生存人数という統計である。抜粋して紹介する。

60歳生存率 男92.6人、女95.9人
70歳生存率 男82.9人、女91.6人
80歳生存率 男62.6人、女80.8人
90歳生存率 男24.8人、女49.0人
100歳生存率 男1.6人、女6.6人

年齢別で細かく眺めると、概ね男性は75歳から92歳、女性は78歳から94歳の範囲で亡くなる方が急増している。あなたの身の回りで亡くなった方の没年齢を思い出してほしい。おそらくこのレンジ内に入る人が大多数ではないだろうか。

特に男性の場合、100歳以上生存する確率は2%未満。女性でも7%未満となっている。私たち40代世代が将来どの程度生存率向上に貢献できるかわからないが、私の予想だと、人の最長寿命は何年も伸びていないため、これからも100歳生存率はさほど上がらないとみている。

平均寿命が伸び続けてきたのは医療技術の向上によって乳幼児や若年者の死亡者が低下したためであって、最高齢が伸びているわけではない。100歳人口は増えているが世代出生数が増えた結果によるものであり生存率が大きく向上しているわけではなさそうである。

「寿命」とは命が途絶える年齢を指している。意識明瞭で健康的に自立した生活が過ごせる健康寿命になるとざっと10年ほど短くなる。つまり人生設計を考えるなら、男性で75~85歳、女性で80~94歳あたりを最大値として設計すべきではないだろうか。

終末のあり方を考える上で重要になるのが遺産相続である。個人資産を抱えたまま世を去ると相続問題が必ず発生する。遺言書がなければ、法定相続人に相続する形となり手続きが面倒になる。

まして昨今はデジタル社会だ。資産の大小とは関係のないデジタル資産についても最終処分方法を決めていく必要がある。デジタル資産へのアプローチ手段(ログインとパスワード)が被相続人の頭の中にしかない状態のまま天国に行ってしまうと、相続人は資産の存在から調べなければならなくなる。毎月課金サービスの解約方法とかオンラインストレージ内保存データの処分手段も生存中に考えておく必要があるだろう。

今できることは、誰に自分の資産をどの割合で相続させるかを健康なうちに明確に意思表示していくことが大切だと考えている。将来相続人になる人が前もって生存中に相続の話をするのは気がひけるもの。だからこそ自ら意思表示ができるうちに整理することが大切になる。

私も未来が予測できないからこそ、今のうちに相続に関する意思表示を文章として残しておこうと思っている。資産だけではない。特にネット関係の契約情報やログインパスワードなど、自分の頭の中にしか記憶していない情報は、何かしらの形で不慮の事態になったときに家族が困らないよう安全な場所に記録していくべきだと考えている。


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