2020年05月25日記載
オンライン申請のほうが対応に時間を要するお役所システム
ITを使ったシステムは、本来人的リソースが掛かるところをコンピュータに処理させることでミスなく、且つ猛烈な処理速度で淡々とこなすことを目的としている。だからITを導入すれば、当然人的コストは下がらなければならない。

このうち、Webフォームやスマートフォンアプリで入力を要求する個人情報は、運営側からすれば究極のセルフサービスとなる。これまで紙に手書きで記入された情報を、運営側が人の手で入力していた作業を、ネットを介して申請者が直接データ投入してくれるのだから、運営側の労力削減は絶大な効果をもたらす。

したがって、運営側が設置する入力フォームには、ユーザがどんな入力をするかをすべて想定し、不備となる入力させないためのチェックするバリデート処理が不可欠となる。バリデート処理がいい加減だと、結果的にユーザがうちこまれたデータを人の目でチェックすることになってしまうからだ。

私もこれまで様々なWebアプリを作ってきたが、入力フォームのデータチェック部分を作り込む作業が最も時間をかけている。利用するユーザが少数で且つ信頼たるユーザだけであれば、入力させる当人のモラルに依存させた運用ができるが、不特定多数が入力するフォームを作る場合は、相当なチェックをかけて、不備がないものだけを受け付ける仕組みを作り込む必要がある。

日本の自治体もようやくオンライン対応が増えてきているが、それでも民間企業の動きと比べると遅いと言わざるをえない。

公共施設の入札案件の処理ひとつとっても、数年前までInternetExpoloerで且つ古いバージョンでなければ利用できない弊害があった。企業は入札ためだけに古いPCを残存させ、それでいて面倒な専用カードリーダーも組み合わせる不便極まりないシステムを使っていた。

Windows7のサポート終了に伴い、ようやくIE離れが進んできて、且つスマホ普及に伴い、デザインも今風のUIに切り替えるなど、自治体のIT化もようやく時代に追いつた感があった。

ところが特別給付金のオンライン申請の状況の報道をみてがっかりした。

たしかにマイナンバー情報とインターネット環境とは切り離すことは理解できる。しかしなぜ手作業でデータ照合しなければならないのだろうか。吸い上げたデータを使って、バックグランドでマイナンバーシステムとデータ突合するぐらいのチェックもできないとは、あまりにも想像を遥かに超えるクソっぷりを発揮している。

民間企業の場合、システムを発注する側も請け負う会社も、作りながら必要な機能を調整して適時最適化を図っていくことが想定されるが、自治体の場合、入札となり、且つ事前に示された仕様に沿って作り込まれる。

言い換えれば、仕様書に運営上の穴(利便性向上を図る部分の欠落)があっても、請負会社は勝手に仕様修正をして納品することができず、決められた仕様に沿った内容に忠実に対応したシステムを納品することになる。

発注者側も役員のため、より良いものを作り込むために、当初の設計仕様に変更を加える権限が与えられたない(予算変更するような注文内容の変更が許されない)ため、淡々と文字通り役員仕事をこなすだけに終始することになる。

おそらく担当者レベルでは、もっとこうしたら良いのにと感じていても、設計仕様を変えられない縛りがあるから、こうなってしまうのだろう。

つくづく私は公務員勤務は向かない性格だと思う。他人が決めたルールに改善提案すらまともにできない環境ではやる気もなくなってしまうからだ。

さて、こんな状況で私の申請分はいつになったら振り込まれるのだろうか。郵送用の申請書の発送すらまだ行われていない。末端の現場担当者の方、頑張ってください。
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