2020年07月28日記載
先行開業した羽田イノベーションシティ、静かな幕開け
今年の3月から羽田空港国際線の大幅増便に向けて動いていた各プロジェクト。新空路運行をはじめ、羽田空港跡地を使った2大プロジェクトが完成した。国際線ターミナル近くにある「羽田エアポートガーデン」と天空橋駅近くにある「羽田イノベーションシティ」の2つだ。

どちらも東京オリンピック開催に間に合うことを前提として建設が進められ、建造物は予定通り完成した。

羽田エアポートガーデンは全行程の工事完了したものの、ホテルを含めた4月開業計画は全面中止、改めて夏開業に向けて再始動したものの、今の状況では更に開業が先送りになりそうである。

関係者の方、特に主催企業である住友不動産にとって経営上大打撃を受けて開業できなかったのは大きな痛手といえる。

羽田エアポートガーデン内のホテルからはリムジンバス発着所も用意され、雨に当たらずにホテルから直接バスに乗車できる環境まで整備されている。しかし残念ながらすべてが見通しの立たない状況で、きれいな建物の周りには誰一人いないゴーストタウン化している。

もう一つの「羽田イノベーションシティ」。こちらは大田区主導で進められている大型プロジェクトである。グランドオープンは2022年だが、プレオープンとしてこちらもオリンピック開業に間に合うように工程が進められた。



エアポートガーデンと違い、こちらは予定通りプレオープンした。当初は盛大なオーニングセレモニーの予定も中止となり、静かなオープンを迎えた。

オープンしたとはいえ、ビル内のテナントで稼働しているのは飲食店1店舗とコンビニのデイリーストアのみで、デイリーストアはあくまで仮設営業として店内の商品も全体の10分1程度、仮設レジによる現金払いのみの対応となっている。

個人的に気になっていたバスのりばだった。もしかしたらターミナル間の無料シャトルバスが天空橋駅まで乗り入れてくれるかもしれない淡い期待を抱いていた。だが実際はただの京急バスの路線バス停3つの発着所しかなかった。

空港へのアクセスは、敷地内で開業予定の京急INホテルの宿泊者向け送迎バスのみのため、一般人が空港ターミナルに移動するには、天空橋駅からモノレールまたは京急で移動するか、お金を払って従来どおり路線バスを利用するかの選択しかなかった。

天空橋駅での京急と東京モノレールとの乗り換えは、これまでは通勤時間帯限定だった乗り換えショートカット改札口が常時オープンになったことが唯一利便性向上につながった。

しかしこの改札口は京急の羽田空港方面の下りホームとモノレールの浜松町駅方面の上りホーム間のみ有効で、京急上りホームやモノレール下りホーム間の移動には、ホーム最端側の階段の昇降が必要なのはこれまで通り。

今回のプレオープンによって、天空橋駅周りの発展への期待はこれにて打ち止めとなった。この先の期待は多くの人が賑わう姿がいつ取り戻せるかである。

羽田イノベーションシティの敷地内から、羽田空港内に多くの飛行機が飛べずに駐機したままの風景が視界に飛び込んでくる。飛べない飛行機たちを眺めてみるとジワリと涙がにじみ出てくる。

賑わいのある空港、周辺の大型施設が賑わう日常。いつかは戻ってくると信じて待ち続けるしかないのがとても悲しい。
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