2020年08月06日記載
特許は誰でも使うことができる発明こそ価値を生む
国の技術力の高さを表すパラメータの一つに特許出願数がある。2019年に出された特許出願の数は、中国が1位、アメリカが2位、3位に日本、大きく離れて4位がドイツと続く。

これだけを見ると、着実に中国の技術の高さがアメリカを追い越すほどの勢いに見える。しかし中国の持つ特許の大半はいわゆるゴミ特許が多く、ほとんどが使い物にならない。

なぜ特許を取得するのか?

・技術を独占的に使用したい
・権利収入を得たい

主にこの2点である。

常々、特許は世の中に役に立つ発明であってはじめて価値があると思っている。もし優れた特許を取得していても、販売力のない企業が独占的に所有しているだけだと、むしろ害だと考えている。

その発明が世の多くの人が使うことで生活が豊かになるなら、価値のある発明として継続的に価値を拡大させることができる。

しかし特許保有企業だけが利益を上げる構造にこだわると、発明を使ってさらなるアイデアを上塗りすることで、より価値の高い商品やサービス開発のチャンスを奪うことになりかねないからだ。

だから独占的使用権として特許請求権利を行使するのではなく、権利収入として広く多くの企業に使ってもらう特許でなければ、社会的価値のない存在でなければならない。

むしろ権利者として主張しつつ、誰でも無償で使えるよう技術を公開に踏み切ったQRコードは素晴らしい発明である。もしデンソーが一般公開しなかったら、誰も知ることすらないまま埋もれていたままの発明になっていたのは間違いないだろう。

トヨタもハイブリッド関連特許の利用を他の自動車にも公開した。発明は多くの人に使ってもらわねければ、他の発明の阻害要因になるだけで邪魔な存在でしかないからだ。

他では青色ダイオードやIPS細胞がある。日本から生まれ、世界全体の付加価値を増大させる素晴らしい発明たち。社会貢献につながる特許だからこそ、みんなから愛され、これらの発明を使って多くの人たちが知恵を絞り、さらなるサービス拡大への発展につながっていく。

一方、個人や中小企業が取得する特許は、自前で抱え込むだけの発明が多くを占め、他社が万が一権利侵害したら、損害賠償請求するだけの世の中の足を引っ張るだけの発明があまりにも多い。

Linuxの世界はオープンソースによって大きく世界を変えながら発展を繰り返している。QRコードのように無償公開までせずとも、一般公開しつつ使用料を徴収するスタンスに目を向ける企業が増えてほしい。

特許とは、世界の多くの人が使える発明こそ価値がある。抱え込みより一般公開。有償による提供だって構わない。権利収入を得るスタンスを持つ特許が今よりもっと拡大することを願っている。
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