2020年11月16日記載
「フットワークの良い会社」、私の心に刺さった好きな言葉
以前ここで紹介したことがあるが、とある中小企業が掲げる企業ビジョンにこう書いてあった。「フットワークの良い会社」。今でも私の心に刺さった好きな言葉である。

中小企業が大企業に勝てる部分はスピードである。即断即決ですぐに行動に移すフットワークの軽さが中小企業の強みである。逆にいえば、これがないと致命的な会社ともいえる。

最近、大企業で働いていると思うことがある。それは評論家管理職が多いことである。

大企業には事案に対する問題点の抽出力が優れている人が多い。しかし意見だけ言って自分でやらずに何もしない管理職も多い。みんな頭が良く物事の判断力や分析力は高く、頭の回転は素晴らしく高い。しかし意見だけ言って、後は下っ端がやれ、みたいな風潮が目立つ。

経営クラスの人材なら問題ない。しかし中間管理職(部長級)レベルで同じような者が大企業では増えていく。だから簡単に決められる事案ですら議論が多段階にわたって結論が出るまでに時間がかかる。

大企業の部長級間で議論される内容は、まっとうな内容であったとしても、物事が最終決定しない。

日本はマイナスがない人が評価される。だから失敗しないために考えられる失敗要素を徹底的に排除する。だからなかなかゴーサインが発出されない。

企業財務が安定しているし、受注環境も良いので高い給料を払える余裕があるからこそ、評論家部長が増えても企業としては経営できるわけだが、中小企業がそんなことをやっていたら人件費だけで倒産してしまう。

一口に失敗といっても2種類ある。取り戻せる失敗と致命的な失敗の2つだ。

大企業の場合、知名度からくるブランドから小さな失敗も社会的に許されない傾向がある。だから小さい失敗すら徹底的に洗出して絶対に許さない社内風土がある。

しかも原則年功序列。失敗しない限り、淡々と給料は年々上昇する。だから失敗しないための穴塞ぎする能力はとてつもなく高い。

一つ事例を紹介する。

小さな開発案件がある。一人で開発すれば数日でリリースできる案件である。私からしてみれば、さっさとテスト版を作ってしまえば良いと思うが、大企業は開発するまでにも議論に議論を重ねて開発着手すら簡単に許されない縛りがある。

・一人で開発させて良いのか?
・チームで開発しなければなにかあったときに対応できないから問題だ
・開発した成果物はどこの部署が管理するのか?
・マニュアルは誰がするのか?
・UIデザインは他の部署に回したほうが良いのではないか?
・メンテナンス体制はどうなっているのか?
・セキュリティは社内規定に沿っているのか?
・協力会社に発注した場合との差は検証したのか?

挙げればキリがない。そうこうしているうちに開発完了してしまう程度の案件まで、高給取りの人たち同士で議論を重ねる。これが大企業である。

だからこそ、中小企業が大企業に勝つためには、財力がない分、即断即決にこだわり、顧客からの質問対してもクリックレスポンスにこだわらなければならない。

私からしてみれば、中規模レベルのシステム開発なら一人で開発してしまったのほうがかなり効率的だと思っている。

チーム開発は、メンバー同士の打ち合わせにかなりの稼働がかかってしまう。一人ならそんな時間ですら開発時間に注げることが可能である。

一人開発で、仮にその人になにかあったらどうするのかと思う人もいるかも知れない。

その場合は、新たに別の人がゼロから作り直せば良いのである。メンテナンス対応云々考えている間にゼロから新規に作り直すほうが早いからだ。

日本の企業は生産性の低い根本的な原因は、挑戦しないデメリットより、マイナス評価を許さない風潮が高いことが理由に挙げられる。

この傾向が長年染み付いた企業文化なので簡単に変えることはできないだろう。せめて小さな企業は徹底したフットワークの良い会社が増えていくことを願ってやまない。
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